皆さんは、皮膚病で「乾癬」と言う病名を聞いたことがありますか?
症状としては、皮膚が赤くなって盛り上がり、表面が雲母のような白い垢のような皮膚が厚く付着してその一部がボロボロと剥がれ落ちる状態であり、人によっては症状や出る部位も違い、なかなか治りづらく厄介な皮膚病だと言う事です。
しかし、現代ではこんな治りづらいとされている乾癬も2016年に発売された新薬により驚くほどの効果が認められています。
今回は、そんな乾癬の治療薬でもあるコセンティクスについて解説したいと思います。
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コセンティクスはどんな薬?
コセンティクスは皮下注であり、乾癬の症状を引き起こすとされている「IL-17A」の働きを抑え症状を改善する薬です。
因みに「IL-17A」とは、皮膚や関節の炎症などに深くかかわる物であり、尋常性乾癬や関節性乾癬、又は膿疱性乾癬などの症状を引き起こすとされています。
コセンティクスは、この「IL-17A」の働きを抑える生物学的製剤として国内でも2016年に初めて販売された薬です。
コセンティクスは主にどんな症状に効果が期待できる?
コセンティクスは免疫に関与する細胞に働き炎症の原因となる物の働きを抑える効果があり、乾癬によるかさぶたや赤み、発疹などの症状を改善します。
特に既存治療で効果が不十分な症状に効果を発揮します。
主な疾患は以下のようなものです。
・尋常性乾癬
・関節性乾癬
・膿疱性乾癬
これらの症状を改善する効果が期待できます。
また、コセンティクスは投与出来る人と出来ない人がいる為、注意が必要です!
○投与できる人
・尋常性乾癬や関節性乾癬、膿疱性乾癬の患者で今までの治療法で効果がみられない人。
・皮膚疾患の症状が全身の10%以上ある人。
・難治性の皮膚症状、又は関節の症状がある人。
○投与できない人
・重篤な感染症の患者(症状を悪化させる恐れがある為)
・活動性結核の患者(症状を悪化させる為)
・本剤の成分によってアレルギー反応のある人。(副作用や症状が悪化する)
これらの患者にはコセンティクスの投与は禁忌となっている為、投与する際には十分注意が必要です!
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コセンティクスの薬価は?
コセンティクスは、2016年4月1日付けで院外処方が可能になり在宅医療で自己注射できるようになりました。毎回、病院へ足を運ぶこともない為、助かりますよね。
そこで気になる薬価についてご紹介すると以下のようになります。
・コセンティクス皮下注150mgシリンジ1ml・・・73,132円
・コセンティクス皮下注150mgペン1ml・・・・・73,132円
・コセンティクス皮下注用150mg・・・・・・・・・73,123円
製造・販売・・・・(株)ノバルティスファーマ・(株)マルホ
かなり高い価格なので驚いてしまいますが、保険適用である為、一日に換算すると5~6,000円ほどになるようです。
高いか安いかはそれぞれですが、乾癬で悩んでいる方にはそう高くはないかもしれませんね。
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「コセンティクスに副作用はある?」
尋常性乾癬や関節性乾癬、膿疱性乾癬に投与されて副作用を起こしたと言う総症例を見ると、1,382例中(日本人58例含む)、260例が認められており主な症状としては以下のようなものがあります。
・鼻咽頭炎
・頭痛
・上気道感染
・蕁麻疹 発疹、かゆみ
・下痢
・重篤な感染症 肺炎、結核
・カンジダ症
・副鼻腔炎
・肝機能検査異常
・足部白癬
など等があり、日本では58例中、6例に鼻咽頭炎などが副作用として認められています。これらの副作用が現れた場合は医師に伝える事が重要です!
また、投与30分以内にアレルギー反応が現れた場合は医師に相談することが必要です。
その他では、高齢者に投与する場合は十分な観察が必要であり、妊婦の場合は投与に関する安全性は確立されていない為、注意が必要です。
まとめ
新薬が開発され今までは厄介な病気とされてきた疾患でも保険適用範囲内で治療ができるようになり、また確かな効果も確認されるようになった事は患者さんとしても嬉しい事ですが、コセンティクスの投与は、投与可能な人と可能でない人がいる為、十分注意が必要です。
また、乾癬は日常生活が深くかかわっている事も分かっている為、食習慣や運動などを見直す事が大切であり、皮膚への刺激を避けて感染症にかからない為にもうがいや手洗い、ストレスフリーな生活を心がけることが必要と言えそうです。
以上、コセンティクスの薬価と効果・副作用についての解説でした。
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