補中益気湯は、主に不快のある胃腸の動きを良くし、日頃の活動を行う為の体力改善や、その予防補助薬として開発されたものです。
補中益気湯は漢方薬で、市販薬のみならず医療機関でも処方されており、約10種類の生薬が、蓄積した体力疲労、食欲不振、胃弱、拗れ感冒、痔などの不快な症状回復薬として処方されています。
また、手術や病中病後等での栄養バランスの崩れ、それに伴う身体全体の免疫低下時に、含有されている成分が、滋養強壮としての新陳代謝機能を活発化にしてくれます。
補中益気湯と呼ばれる由縁は、漢字一文字其々に、漢方学の意味が込められていて、補＝丈夫、中＝胃腸、益気＝元気を意味し、“胃腸を丈夫にして元気を出す”事からこの名が付けられたようです。
また補中益気湯の“湯”は、通常は各種生薬を混ぜ合わせ、水で煮出し煎じた液を指しますが、現在においては薬の製剤が進化し、漢方薬はエキス剤と呼ばれ、顆粒粉末状に濃縮されたものも“湯”として取扱われています。
[ad#ad-1]
補中益気湯の主な効果・効能は？
補中益気湯は、各社から商品として販売されており、概ね成分は同じですが、生薬種の含有量が各社によって微量ですが違いがあるようです。
補中益気湯の生薬成分として、
滋養強壮（オウギ、ニンジン）
水分循環機能の改善（ソウジュツ）
血液循環や貧血改善（トウキ）
抗炎症（サイコ）
知覚過敏の鎮静緩和、補血剤（タイソウ）
胃腸機能の改善（チンピ）
血圧や脈を整え高血圧症改善（カンゾウ）
痔や咽の炎症緩和（ショウマ）
新陳代謝を高め食欲不振改善（ショウキョウ）
などが含有されて、弱った胃腸などの消化器系機能回復を促進し、良い栄養バランスが身体全体の疲労倦怠を取り、新陳代謝向上として効果があります。
添加物として、ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物などを含有しています。
補中益気湯の含有成分には、柴胡と呼ばれる身体の免疫異常を調整する作用があり、この作用がアトピー性皮膚炎の有効な治療薬として使われています。
補中益気湯は、血液・栄養が集中する胃腸部分を強化する事により、栄養不足やストレスで生じやすい、精神的・肉体の疲れを改善、増強する効果と、血液の循環が悪くなり、血液の流れを良くし肌の保湿作用や、痔疾・脱肛の改善効果にも期待が持てる薬です。
【効能効果】
消化機能減退に伴う、四肢倦怠感や虚弱体質者の諸症状
滋養強壮、虚弱体質、肉体疲労、疲労倦怠、病中病後、胃腸虚弱、胃下垂、食欲不振、血色不良、痔、脱肛、子宮下垂、多汗症、冷え性等の諸症状
補中益気湯は下痢に効果が期待できる？
補中益気湯が効果を発揮する前提は、溜まった疲労やストレスが原因で、消化器機能が低下して血液・栄養代謝が円滑に行われなくなり、慢性疲労疾患が生じて様々な不調を身体に招いてしまう病気です。
その中で、下痢の症状でも慢性的な下痢の場合には、補中益気湯の基本的な概念からも、効果が得られると思いますが、感染性胃腸炎などのウイルスで急激に下痢や高熱症状がある症状時は、効果が得られません。
[ad#ad-2]
補中益気湯を飲む際の注意点は？
補中益気湯は漢方薬ですので、食前もしくは食間である空腹時に、水かお湯で分割して服薬を行って頂き、年齢や体重、症状により適宜増減してください。
補中益気湯は、漢方薬で即効性を望める薬ではありませんので、過剰なる服用や、飲み合せによっては効果を増してしまい、副作用の原因にもなりかねませんので、各社の商品説明書に記載されている用法・用量を守られて服薬して下さい。
特に、含有成分の甘草の作用は、カリウムを排出する事で血圧値を保持する働きがありますが、グリチルリチンとの飲み合せに注意が必要で、誤った飲み合せによりミオパシーや、低カリウム血症を生じ、偽アルドステロン症になる可能性があります。
循環器系に疾患をお持ちの方や、症状については、服薬開始時に医師や薬剤師にご相談されておくと安心です。
高齢者や妊娠中の方で、極度に生理的機能が低下している場合は無理に服薬せずに、医師や薬剤師と相談後、服薬治療上の有益性が認められる迄、服薬を避けた方が無難です。
補中益気湯の服薬を行う期間は、感冒時は約1週間と明記されていますが、長期連用する場合や、改善が無い場合は、医師や購入先の薬剤師・販売登録者の方に、ご相談の上ご使用下さると安心かと思われます。
補中益気湯の保管場所は、生薬エキス成分で構成されており、品質管理上直射日光が当たらず、湿気のない涼しい場所へ保管し、使用期限の過ぎた商品は廃棄し、小児の手の届かない場所への保管をお願い致します。
補中益気湯には副作用がある？
補中益気湯を服薬された後に、次の症状が現われた場合は、副作用の可能性がありますので、直ちに服薬を中止し、医師や薬剤師・登録販売者に身体の変調を伝えてご相談して下さい。
皮膚・肝機能系部分として発疹・発赤・かゆみ・黄疸・褐色尿・全身のだるさ等
消化器系として、胃の不快感、食欲不振、軽い吐き気、下痢など
間質性肺炎として、軽度の運動時の息切れ・空咳・発熱などが急に生じたり、持続したりする可能性があります。
また、初めての服薬開始時のむかつき・食欲減退は、次第に慣れてきますが、頻度が多く辛い場合には、医師や薬剤師へご相談下さい。
稀に、含有成分である甘草の過大服薬や、他の医薬品との飲み合せにより、偽アルドステロン症と呼ばれる症状や、むくみ、血圧の変動が大きくなり、呼吸の異常、皮膚蒼白などのアナフィラキシーショックを起こす事がありますが、その時は直ぐに、医療機関の受診をされて下さい。
まとめ
補中益気湯は、製薬製造各社から発売されている、胃腸の機能をよくして、弱っていた体力を回復させて、元気なからだを肉体的に感じさせる医薬品（第２類）です。
補中益気湯には、新陳代謝を向上させる植物由来の生薬が含有されているので、安全性も高く愛好家も多いとの事です。
その服薬効果効能は、消化吸収を促進することにより、身体に生命を蘇えさせて体質を改善させてくれます。
漢方薬で安全な薬ですが、服薬には副作用が伴う事がありますので、服薬の際には明記されている内容を把握され、用法・用量を守られてご使用下さい。
関連記事
→食べ過ぎた後胃が気持ち悪くなる原因と対処法について解説
→半夏瀉心湯の効果・効能や副作用について解説
[ad#ad-2]
