桃核承気湯は、4つの混合生薬乾燥エキス(煎じ)と、天然鉱物から精製される含水マグネシウムが含有され、主に消化管の機能を活発化し、血流等の巡りを良くし、身体を温める効果があるとされ、様々な支障で生じる頑固な便秘や、女性特有の自律神経のバランスが崩れて起きる生理不順や、それに伴う症状の緩和剤として、製剤化された生薬です。
桃核承気湯が、便秘に有効とされる条件には、痩せたタイプの方より、BML肥満症・体型が良い方に効き目があるとされ、更には、軽度の便秘よりも、宿便に近い頑固な症状に適している混合生薬ですので、一概には言えませんが、体力的に低下されている方には、不向きな方剤かもしれません。
桃核承気湯は、便秘改善以外に、月経時の不調改善や、冷えが原因で生じてしまう、血や気の流れの滞りを良くし、のぼせからくる動脈硬化や、心疾患の改善薬としても処方されますが、そのようなタイプの方の便通薬としても、相互効果が有るとされています。
なお、桃核承気湯の“湯”は、通常は各種生薬を混ぜ合わせ、水で煮出し煎じた液を指しますが、現在においては薬の製剤が進化し、漢方薬はエキス剤と呼ばれ、顆粒粉末状に濃縮されたものも“湯”として取扱われています。
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桃核承気湯の主な効果・効能は?
桃核承気湯は、各社から商品として販売されており、概ね成分は同じですが、生薬種の含有量が各社によって微量ながら違いがあります。
桃核承気湯の成分として、次の5つの生薬が含有されています。
桃仁(血流を良くし、便秘、月経の調整など婦人科系疾患など、鬱血を散らし、消化官である胃腸内の炎症補修や腹痛を抑えたりする鎮痛作用があります。)
大黄(主に、腸内に固くなって溜まっている便を柔らかくして、排泄機能を促進し、食欲不振・消化不良等の改善を行う効果があります。)
桂皮(身体に溜まっているものを動かし、熱を発散させて新陳代謝を向上させ、健胃、整腸、食欲増進作用があります。)
甘草(混合生薬には粗欠かせない方剤で、様々な急迫症状での鎮痛や緊張の緩和作用があります。)
芒硝(天然鉱物である芒硝を、再結晶し精製して、漢方では便秘薬や清熱に効能があるとされる、西洋薬で言う酸化マグネシウムに相当します。)
桃核承気湯は、太り気味な方の頑固な便秘の改善や、頑固な便秘が元で、動脈硬化や高血圧等の心疾患を発症しやすい時に、体脂肪を落とし、新陳代謝を向上させ、血流改善や、婦人科系の不調をも調整する生薬です。
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桃核承気湯は、血流改善効能により、肌荒れやシミの予防・改善薬として、更には、脂肪を燃焼させたり、老廃物を排泄する作用もあるので、過剰な服薬には注意が必要ですが、美容やダイエット目的としても使用されるお薬です。
なお、桃核承気湯で使用されている“承気”の由来は、気を承る=胃の機能を調整し、弱くなっていた消化官の働きを取り戻す、と言う意味から名付けられているそうです。
人間の身体は、年齢を増していく事での老化現象や、寒さ・湿気などの気候環境の状態によっても、血液の循環が悪くなり、栄養バランスの乱れが、自律神経に支障を来たし、心身的なストレスが、身体に疾患を招いてしまいます。
桃核承気湯には、自律神経が原因での肩こり、頭痛、歯痛時にも処方される、市販薬・処方箋のどちらでも取り扱っている商品ですので、症状に応じて医師や薬剤師に相談されて、使用する事をお勧めいたします。
市販薬や処方箋(漢方医は除く)で出される漢方薬は、生薬配合量が初めから定量化されていて、自分の体質や症状にあった漢方薬であるとは限らず、できれば漢方医や、漢方薬剤師の診断を受けて、自分の体質や症状に合う桃核承気湯の用法・用量で、服用されるのが最善です。
桃核承気湯はダイエット効果がある?
桃核承気湯が、ダイエット効果を発揮する前提は、ストレスや堅肥り・水太りが原因で、肥満気味になられた方ではなく、体力的には中等度ながら、血液の流れに支障が生じ、栄養代謝が円滑に行われなくなり、老廃物が溜まりやすく、脂肪が燃焼されずにむくみが生じて、肥満傾向になられている方です。
桃核承気湯は、興奮している交感神経である自律神経を安定させる成分が作用し、不安やイライラ感での暴食暴飲を抑制してくれます。
さらに、宿便と言われる頑固な悪玉菌を持つ腸内環境を、蠕動運動を活発化し、老廃物である便を排泄し、善玉細菌の活動を良くしますので、脂肪燃焼・老廃物排出・精神安定の各作用効果により、ダイエットや、美容にも効き目があるとされています。
桃核承気湯の効果が出るまでには個人差がありますので、初めは1週間を目途に継続して服用し、その後は、症状を医師や薬剤師に相談しながら継続される事をお勧め致します。
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桃核承気湯には副作用がある?
桃核承気湯を服薬された後に、次の症状が現われた場合は、副作用の可能性がありますので、直ちに服薬を中止し、医師や薬剤師・登録販売者に身体の変調を伝えてご相談して下さい。
皮膚系として発疹・発赤・痒み、消化器系として激しい腹痛を伴う下痢の症状が生じる可能性があります。
また、初めての服薬開始時のむかつき・食欲減退は、次第に慣れてきますが、頻度が多く辛い場合には、医師や薬剤師へご相談下さい。
桃核承気湯を飲む際に気をつけることは?
桃核承気湯は漢方薬ですので、食前もしくは食間である空腹時に、水かお湯で分割して服薬するか、お湯に溶かしてかき混ぜてから服用して頂き、年齢や体重、症状により適宜増減してください。
桃核承気湯は、漢方薬で即効性を望める薬ではありませんので、過剰なる服用や、飲み合せによっては効果を増してしまい、副作用の原因にもなりかねませんので、各社の商品説明書に記載されている用法・用量を守られて服薬して下さい。
桃核承気湯の含有成分が、他の薬との飲み合せ(特に下剤成分を有する医薬品)によって、効果を強めたり弱めたりしますので、注意が必要です。
循環器系に疾患をお持ちの方や、既往症で医師の治療を受けている方、過去に薬でアレルギー性皮膚炎を経験した方、胃腸が弱く下痢しやすい方は、服薬開始時に医師や薬剤師にご相談されておくと安心です。
高齢者や妊娠・授乳中の方(産婦人科系で子宮収縮作用があります)で、極度に生理的機能が低下している場合は、無理に服薬せずに、医師や薬剤師と相談後、服薬治療上の有益性が認められる迄、服薬を避けた方が無難です。
桃核承気湯の服薬用法・用量説明書では、どの商品にも授乳中は服薬をしないか、服薬する場合は、授乳をさけて下さいと、明記されていますので、ご注意ください。
桃核承気湯を服薬後に、予期しない出血やめまい、呼吸に異常が現われた場合には、服薬を中止して医師や薬剤師と相談して下さい。
まとめ
桃核承気湯は、日頃より頑固な便秘で悩まれている方、また西洋薬で改善が見込まれない方に、一度お試し戴きたい生薬です。
市販薬でも購入できますが、当然ながら、漢方にも服薬には副作用が伴う事がありますので、服薬の際には、明記されている内容を把握され、用法・用量を守られてご使用下さい。
桃核承気湯は、血流が良くなり腸内環境や、各処の痛みも緩和され、同時に新陳代謝も向上させる植物由来の生薬が含有されていますので、肥満解消や生理痛、精神安定、美容効果として期待ができる医薬品(第2類)です。
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