立ちっぱなし 足が痛い3

幼少時期に、集会などで校庭や体育館で、急に気分が悪くなり、倒れ込んでしまう光景を思い出す事があります。

また、毎日の通勤・通学での移動時に使われるバスや電車の中や、立ち仕事等で、長い時間立ったままで座れずに、腰から下の部分に痛みや、怠さと言った違和感を覚える事があると思いますが・・・いかがでしょうか。

人によっては、立つことの要領を把握しているのか、「慣れているよ !」と自慢する方もいらっしゃいますが、確かに、日々立ち慣れている人の方が、立ち慣れて無い人に比べると、筋力が衰えず、疲労感も無さそうに見えたりします。

しかし、長時間の立位姿勢時と、座っている状態での消費カロリーを比べると、約2倍のエネルギーを立位時は使用しているとの事から、立ちっぱなしの状態は、身体に負荷を掛けていると言ってもよさそうです。

立ちっぱなしで足が痛くなる事は、既往症をお持ちの方を除くと、個人差もありますが、筋肉運動が不足気味の方や、エネルギーの元となる栄養摂取の乱れや、環境の変化など、様々な要因が重なり合って、その症状が起きてしまいます。

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立ちっぱなしで足が痛い時に考えられる原因は?

立ちっぱなし 足が痛い 2

原因となる一つ目は、立ちっぱなしで動きがないと、足底に必要以上の血液やリンパ液等の体液が溜まってしまい、足のポンプ役である筋肉運動が機能しなくなり、むくみ・筋力の低下などが生じて、神経に異常を来たす事で、痛みが出ると言われています。

人間の体内では、常に血液やリンパ液が、血管・リンパ管の中を、酸素と栄養成分を運び、更に老廃物の回収を行っていますが、この循環が途絶えるような姿勢を継続すると、疲労感や怠さが起きて、症状が進むと痛みが伴いがちになってしまいます。

また、気候や室温など、周辺の環境状態によっても、立ちっぱなしで足に痛みが生じる事があります。

これは、寒い冬の季節や、夏でも冷房が効き過ぎて、室温が低い室内に長時間いるだけでも、筋肉が硬くなったり、緊張しやすくなって、血液やリンパ液の流れが悪くなり、体内の酸素不足を招きやすくなり、ますます疲労感や怠さ、痛みが生じてしまう元となってしまいます。



原因となる二つ目に、肝臓機能が弱っている時が考えられます。

肝機能の状態は、血液検査や超音波検査で、簡易的な検査方法で分りますが、機能が悪くなってくると、肝臓で生成されるアルブミンと言う、血管内の水分を調整してくれる成分が減少してしまいます。

この血管内の水分を、上手にコントロールしてくれる成分が減少すると、動脈内に有るべき水分が、徐々に血管の外に排出されてしまい、皮下に溜まってしまう事で、血液の循環の役目である、静脈に水分が戻り難くなって、特に身体の下の部位である足の部分に、炎症を起こしやすくなります。

身体に負担の掛かる立ちっぱなしの状態には、肝機能の異常で、毒素の滞留や、むくみ、疲労感を覚え、足の痛み等の炎症以外に、貧血や脱水症状が起こり、意識を失いかける可能性もあります。



原因となる三つ目に、腎機能が弱っている時が考えられます。

腎機能が悪くなると、身体の余分な水分である尿を排出できず、タンパク質や塩分が有害物質となって、体内に残ってしまいます。

更に、腎機能が低下すると、血液の酸性とアルカリ性の調節や、水分と電解質の調節が困難になってしまい、血圧調整に必要なホルモンや、赤血球を生成するホルモン分泌量も減少してしまいます。

この腎機能の低下は、特に足の側面や指にむくみが起きて、黒茶色に皮膚が変色し、糖尿病や動脈硬化を誘発する可能性があり、内臓脂肪過多、中性脂肪が多くなって、疲労が蓄積し、立ちっぱなし時は、足が痛くなる確率が高い疾患の一つとなります。



原因となる四つ目に、腰痛・膝痛・黒節関節痛など、多くの部位の骨や関節、神経、脊髄の障害が、足に影響を及ぼす事が考えられます。

主なる病名として、腰椎椎間板ヘルニヤ、脊柱管狭窄症、坐骨神経、股関節炎、変形性膝関節症、膝蓋軟骨軟化症、関節リウマチ、アキレス腱周囲炎、足底筋膜炎、外反母趾、亜急性連合性脊髄変性症、下肢静脈瘤などが、立っている時のバランス保持が、難しくなりやすい疾患の一部となります。
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立ちっぱなしで足が痛い時の対策は?

対策1

最近までは、疲労感を覚える一物質として、血中に乳酸が溜まると筋肉が熱くなって、自然と冷めながら硬くなってしまうので、筋力や柔軟性が失われて、疲労感や炎症を起こす元と、提言されていましたが、その説が違っていた事が医学会で報告されました。

このように近年では、従来の乳酸に対する考え方を変えて、乳酸は血の流れを促進させ、筋肉を疲労から回復させる為に発生している物質とされて、それ以後、様々な条件における体内乳酸の含有率と、疲労度の相関を再検証している段階とされています。

さて、乳酸以外にも、立ちっぱなしで足が痛い時の一原因となる、血液やリンパの流れを良くする対策として、日頃から体液の流れを良くする緑黄野菜や青み魚、良質の蛋白質やビタミンが多く含まれる、豚肉や鶏肉のささみ等、食事からバランスの摂れた栄養素を取り入れる事が良いと言われています。

また、立っている時は、ポンプの役目もしている脹脛を数回押して、筋肉に刺激を与えたり、膝の屈伸運動・足首や腰を回す運動・背筋や足の腱を伸ばす運動を数回行い、姿勢を良くして身体全体に力みがない姿勢で、立位の保持をされると、立ちっぱなし時の足の痛みが幾分でも、改善される傾向になると思います。

対策2

肝機能障害をお持ちの方が、立ちっぱなしでいる状態は、あまりお勧めできる姿勢ではありません。

肝臓の状態は、血液検査でほぼ分り異常があると、GOT・GPT項目の数値が、基準値より高めになります。

この項目は、肝臓が元々持っている細胞の一種で、細胞が壊れてしまった時に、血液に入り込んでくる酵素で、数値が高いほど肝臓に異常がある事になります。

肝臓の状態が悪く放置しておくと、慢性肝炎や肝硬変、悪性肝癌などの肝機能障害や、心筋梗塞など循環器系疾患や、他の病気を併発してしまい、重篤な危機を招いてしまう恐れがありますので、立ちっぱなし時に、足に痛みや、身体に疲労感や異常を感じたら、医療機関を受診され、適切な治療をして戴きたいと思います。

対策3

腎機能が低下すると、排尿に困難が生じて、身体から毒素が抜け出せなくなり、尿毒症を起こす傾向が高くなり、酷くなると人工透析治療を定期的にしなければならなくなります。

感覚的には、毒素が溜まり疲労感が増しやすくなりますので、肝機能障害同様に、立ちっぱなしの姿勢は避けた方がよく、生理的にも、水分と塩分の排出量のコントロールができなくなり、血圧の調整が難しくなって、立ちくらみや頭痛、ほてり等の症状が出てしまい、更に免疫力も低下して、細菌やウイルスによる感染症を招きやすくなってしまいます。

対策としては、血液検査でクレアチニンの項目が数値より高いと、腎機能に異常がある事になりますので、肝機能障害同様に食事療法で、主に塩分や糖分の摂取量管理をされて、同時に服薬や生活習慣の見直しを行い、規則正しい生活を送れるよう改善していく事が大事です。
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日常的に気をつけたいことは?

立ちっぱなし 足が痛い



立ちっぱなしは、人間の体型からすると、身体に負担が掛かってしまいますので、痛みが生じる前に、運動や下半身のマッサージ、そして入浴や足浴をして、血行を良くしておく事が予防策となります。

また、多忙な方は、中々マッサージを受けたり、ご自分でもできない事が多いと思いますので、血行障害を起こさないよう、食事やサプリメントで、栄養や水分の補給をし、疲労が溜まらないよう睡眠も十分に取って下さい。

まとめ

数年前から、エコノミー症候群と呼ばれる病名を頻繁に聞くようになりましたが、人間は適度に身体を動かしていないと、何らかの疾患を招きやすくなってしまいます。

個人差もあるので、過激な負担が罹る運動や、食事制限は逆効果になる事がありますので、無理のない生活を送れるような運動や、栄養を考えた飲食物の摂取、質の良い睡眠などを取る事を習慣化して、健康な日々を過ごされて下さい。

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