独活葛根湯は、生薬を用いて、慢性的な首筋から肩周辺の重怠さの症状を、軽減する漢方薬です。
人間は、体力は中程度ながらも、年齢を増す毎に、何らかの支障により身体の血液循環が悪くなって、心身的なストレスや、肩に負担が罹り、肩こりや頭痛等を招いています。
誰にでも経験のある肩こりは、疲労やストレスの蓄積の他に、寒さ・湿気などの気候環境の状態によっても、弱っている身体は敏感に反応し、血行不良が起きて肩こりの症状が、更に悪くなってしまうようです。
独活葛根湯は、このような慢性的な肩こりの方に、感冒改善薬として処方される、葛根湯にドクカツとジオウの2種類の生薬を加えて、体内で熱エネルギーを作り出す機能を補助し、血液に栄養となる成分を与えて身体を温め、肢体鎮痛作用を促進してくれます。
独活葛根湯は、漢方学で言われている肩こりの原因、“気”“血”の漂う症状を、生薬の中でも副作用の少ない葛根湯に着目し、身体に温める力+鎮痛+補血・強壮などの効果が出る生薬を配合して、湯鬱な肩こり症状に、効果・効能が期待できる漢方薬として商品化されました。
独活葛根湯は、市販薬・処方箋のどちらでも取り扱っている商品ですので、症状に応じて医師や薬剤師に相談され使用する事をお勧めいたします。
独活葛根湯の“湯”は、通常は各種生薬を混ぜ合わせ、水で煮出し煎じた液を指しますが、現在においては薬の製剤が進化し、漢方薬はエキス剤と呼ばれ、顆粒粉末状に濃縮されたものも“湯”として取扱われています。
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独活葛根湯の主な効果・効能は?
独活葛根湯は、各社から商品として販売されており、概ね成分は同じですが、生薬種の含有量が各社によって微量ながら違いがあります。
独活葛根湯の生薬成分には、葛根湯ベースに独活と地黄が追加されていて、感冒時に漢方薬として処方される葛根湯には、好にして緊張して硬くなっている首周辺の筋肉緩和する作用があり、独活には鎮痛鎮静作用、地黄には補血・血液循環を良くする作用があります。
市販薬や処方箋で出される漢方薬は、生薬配合量が初めから定量化されていて、自分の体質や症状にあった漢方薬であるとは限らないのが、難点です。
本来ならば、漢方医や漢方薬剤師の診断を受けて、自分に合った薬を処方されるべきものですが、日本での漢方薬に対する考え方は、中国などに比べると西洋薬学に比重がある事はご承知の通りです。
余談になりましたが、このように同じ漢方薬を服用しても、個人の体質や症状によって効果が違うので、一概にこの漢方薬はこの症状に必ず効くとは言い切れないのが事実で、数度の受診が必要になります。
これを踏まえての効果・効能ですが、“独活”には鎮痛作用、“葛根”には筋肉の緊張緩和作用、“地黄・桂皮・マオウ・生姜”には補血・血液循環を良くし身体を温める作用、“芍薬・葛根”には鎮痛や痙攣を鎮める作用、“甘草・タイソウ”には薬効を促進する作用と、補血、血圧値の維持する作用があります。
上記した独活葛根湯の含有している諸々の成分が、血液循環を活発にし、身体を温めて硬くなった首から肩にかけての筋肉を緩和し、弱った胃腸などの消化器系機能回復を促進し、心身的なストレスを解消し、新陳代謝を向上させ肩こり等の症状に効果の期待を持てます。
身体の冷えは、末梢血管や自律神経に何らかの支障が起きて、血液やリンパの流れが悪くなり栄養素が行き渡らず、老廃物が滞る事などが原因で、肩こり・四十肩・五十肩だけではなく、四肢部位に冷えが生じてしまい、神経痛や頭痛、歯痛、眼痛などの症状に影響を及ぼしてします。
また、血液の循環の悪さは、免疫の低下で、呼吸器や循環器の疾患や、下部内臓の冷えで生じやすい胃腸消化機能減退で下痢や便秘気味に、また腰痛・座骨神経痛といった整形分野の部位まで、影響を及ぼす事もあります。
独活葛根湯は肩こりに効果が期待できる?
独活葛根湯が効果を発揮する前提は、体力中等度または虚弱で、血液の流れに支障が生じ、冷え等がもとで、身体の首筋から肩周辺にかけて、栄養代謝が円滑に行われなくなり、筋肉の緊張がほぐれず、慢性的な肩の痛みを伴う不快時に、効果が期待できます。
独活葛根湯には、肩こりに効く成分が含有されていますが、効果が出るまでには個人差がありますので、初めは1週間を目途に継続して服用し、その後は、症状を医師や薬剤師に相談しながら継続されると事をお勧め致します。
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独活葛根湯は風邪に効果が期待できる?
独活葛根湯の成分には、漢方薬として元来処方される葛根湯が含有されていて、身体を暖めて喉や頭痛を鎮静化し、呼吸や血圧の脈を整え、新陳代謝と免疫の改善をする生薬が含有されていますので、特に冷えた内臓からの感冒の症状には、効果が期待できます。
独活葛根湯を飲む際に気をつけることは?
独活葛根湯は漢方薬ですので、食前もしくは食間である空腹時に、水かお湯で分割して服薬するか、お湯に溶かしてかき混ぜてから服用して頂き、年齢や体重、症状により適宜増減してください。
独活葛根湯は、漢方薬で即効性を望める薬ではありませんので、過剰なる服用や、飲み合せによっては効果を増してしまい、副作用の原因にもなりかねませんので、各社の商品説明書に記載されている用法・用量を守られて服薬して下さい。
特に、含有成分の甘草の作用は、カリウムを排出する事で血圧値を保持する働きがありますが、グリチルリチンとの飲み合せに注意が必要で、誤った飲み合せによりミオパシーや、低カリウム血症を生じ、偽アルドステロン症になる可能性があります。
循環器系に疾患をお持ちの方や、既往症(高血圧・心臓病・腎臓病・甲状腺機能障害)で医師の治療を受けている方、排尿困難な方、過去に薬でアレルギー性皮膚炎を経験した方は、服薬開始時に医師や薬剤師にご相談されておくと安心です。
高齢者や妊娠中の方で、極度に生理的機能が低下している場合は無理に服薬せずに、医師や薬剤師と相談後、服薬治療上の有益性が認められる迄、服薬を避けた方が無難です。
独活葛根湯の副作用は?
独活葛根湯を服薬された後に、次の症状が現われた場合は、副作用の可能性がありますので、直ちに服薬を中止し、医師や薬剤師・登録販売者に身体の変調を伝えてご相談して下さい。
皮膚系として発疹・発赤・かゆみ等、消化器系として、胃の不快感、食欲不振、下痢などする可能性があります。
また、初めての服薬開始時のむかつき・食欲減退は、次第に慣れてきますが、頻度が多く辛い場合には、医師や薬剤師へご相談下さい。
稀に、含有成分である甘草の過大服薬や、他の医薬品との飲み合せにより、偽アルドステロン症と呼ばれる症状や、むくみ、血圧の変動が大きくなり、呼吸の異常、皮膚蒼白などのアナフィラキシーショックを起こす事がありますが、その時は直ぐに、医療機関の受診をされて下さい。
まとめ
独活葛根湯は、現代の一般病である肩こりや、冷え症時に用いると、血流が良くなり痛みも緩和され、同時に新陳代謝も向上させる植物由来の生薬が含有されていますので、副作用も少なく新陳代謝や免疫力を増進させてくれますので、感冒や様々な症状の改善に期待が持てる医薬品(第2類)です。
当然な事ながら、漢方にも服薬には副作用が伴う事がありますので、服薬の際には明記されている内容を把握され、用法・用量を守られてご使用下さい。
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