漢方薬と言えば古くから女性の間で知られている塩釜サフラン湯が有名なところですが、母親が年頃を迎えた女の子に体を案じて飲ませたりしますよね。
日本では、漢方医学の理論に基づいて処方される漢方薬は、約200~300種類ほどあると言われておりそのほとんどは桂枝湯が基本に使われていると言う事です。
今回は、その数多い漢方薬の中でも気持ちを落ち着け、心と体を穏かにすると言われている桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)について解説いたします。
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桂枝加竜骨牡蠣湯はどんな薬?
桂枝加竜骨牡蠣湯は、主薬である桂枝をはじめ7種類の生薬からなっている漢方薬です。
7種類の生薬とその作用は以下のようなものがあります。
・桂枝(桂皮)・・・発汗作用・解熱作用・鎮静作用・健胃作用・理気作用
・竜骨・・・鎮静作用・血管収縮作用
・牡蠣・・・鎮静作用・制酸作用
・芍薬・・・鎮静作用・抗痙攣作用・血管拡張作用
・生姜・・・発汗作用・制吐作用・健胃作用・鎮咳作用
・大棗・・・健胃作用・強壮作用・利尿作用・鎮静作用
・甘草・・・鎮静作用・抗痙攣作用・鎮咳作用
これら7つの生薬の作用を見てもお分かりのように桂枝加竜骨牡蠣湯は、桂枝湯を基本ベースに鎮静作用のある竜骨と牡蠣を加えた生薬でできている事が分かります。
要するに、桂枝加竜骨牡蠣湯は身体に作用する生薬と精神へ作用する二つを併せ持った漢方薬と言う事です。その為、パニック障害や心身症・自律神経失調症などの改善に役立つとされています。
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桂枝加竜骨牡蠣湯の主な効果・効能は?
漢方薬は一般の薬と違い即効性がない為、効果についてははっきりとした現れ方をしないようですが、主な効果や効能は以下の通りです。
・小児夜尿症
・神経衰弱
・性的神経衰弱
・遺精
・陰萎
・脱毛症
・不眠症
などがあげられます。
漢方薬は、一般の薬とは違い自然界にある生薬から作られており穏かに自律神経を整えてくれる為、安全であると認識することで長く飲み続ける人も多いようです。
事例としては、パニック障害などには比較的、早めに効果が認められたと言う報告もありまた、精神的な原因での性的機能の低下などにも穏やかではありますが効果が認められています。お悩みの方は、試してみてはいかがでしょうか!
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桂枝加竜骨牡蠣湯は抜け毛にも効果が期待できる?
桂枝加竜骨牡蠣湯は、ストレスが原因で神経衰弱で身体が弱っている方に使われる薬である為、神経の障害に効果を現す事からストレスや精神的な原因が引き金となる抜け毛にも効果がある事が分かっています。
また、女性も更年期障害などにより抜け毛になる人も多くそんな方にも効果が期待できるようです。
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桂枝加竜骨牡蠣湯の副作用は?
漢方薬は生薬からなっている為、副作用はそれほど認められてはいませんが、全くない訳でもありません。
漢方薬と言っても薬である事には変わりはないのでその効果と副作用を理解することが大切です。副作用としては発疹・かゆみが報告されていますが、これらの皮膚症状は主に桂枝(桂皮)が原因とされています。
また、生薬で甘草の大量服用によって浮腫みが生じたり、血圧が上がる「偽アルドステロン症」があります。これはめったにない事ですが重い副作用である為、注意が必要です。
甘草にはグリチルリチンと言う成分を含みアルデステロンと言うホルモンと同じ働きをします。これは、身体の中のナトリウムを増やしカリウムを減らすと言う作用があり「高ナトリウム血症」や「低カリウム血症」をおこします。
高ナトリウム血症になると血圧が上昇し浮腫みが現れ、低カリウム血症になると体に力が入らなく、また痙攣や多尿、不整脈などが確認されます。このような症状が現れたら急いで主治医に相談することが必要です。
桂枝加竜骨牡蠣湯を飲む際に気を付けることは?
どんな薬も飲む際には医師に持病があれば伝えておく必要があります。
また、薬によっては飲み合わせの悪い物もある為、他に服用している薬があればしっかり伝える事も大切な事です。特に漢方薬で甘草を含む他の漢方薬と一緒に飲むときは偽アルドステロンの副作用に注意しなければなりません。
また、飲む際には漢方薬の場合、出来る限り食前か食間に飲むようにして、お湯などでよく溶かしてから飲むことが良いようです。
まとめ
漢方薬は一般の薬と違い即効性が少なく、自然界の生薬で作られている事から副作用がないと考えがちですが、稀にかゆみや発疹、胃の不快感、食欲不振などの症状を起こすこともあります。
また、他の漢方薬との飲み合わせなどによっても重い副作用を起こす事もある為、医師とよく相談しながら飲むことが重要であると言えます。
以上、桂枝加竜骨牡蠣湯の飲み方や効果・副作用についての解説でした。
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