ドルマイシン軟膏は、皮膚の肌荒れや、湿疹、ひび割れ、裂傷、火傷などの症状の治療や感染予防策として有効な外用薬です。
ドルマイシン軟膏の特徴として、含有している2つの有効成分が、グラム陽性菌と陰性菌の2つの細菌を選択的に殺菌して、一般外部疾患の治療や感染予防に効果を得る事ができる皮膚全般の外用治療薬です。
ドルマイシン軟膏は、ゼリア新薬工業から販売され、市販薬(第2類医薬品)としてドラッグストア・調剤薬局などで購入できる薬ですので、従来から治りづらい皮膚炎症やその予防と、軽度な火傷、急な湿疹や吹き出物での肌のトラブル時の治療や、感染予防として、薬をガーゼに塗り患部に湿布するタイプの皮膚疾患治療薬です。
含有成分として、硫酸コリスチン(硫酸コリマイシン)50000単位・バシトラシン250単位
添加物として、白色ワセリン、流動パラフィンが用いられています。
含有成分の「コリスチン」は、細菌のグラム陰性菌に抗菌作用として機能し、緑膿菌にも効くとされていて、「パシトラシン」は、ペニシリンと近似していて大部分のグラム陽性菌と陰性菌の一部に抗菌作用として効き目があるとされています。
病原体の一つである細菌には、グラム陽性菌と陰性菌があり、陽性菌には細胞膜と細胞壁があり染色すると濃い紫色に、陰性菌には細胞膜だけで壁が無く、染色時は濃い赤色となり区別が可能となり、治時の抗菌作用を促す、抗生剤の適切な種類を選択できる利点があります。
なお、この染色を考案した方がグラム氏で、その名を使用しグラム陽性菌・陰性菌と呼ばれています。
[ad#ad-1]
ドルマイシン軟膏はどんな症状に効果的?
ドルマイシン軟膏は、細菌のもとである病原菌や緑膿菌といった大部分のグラム陽性菌・陰性菌の一部に奏効する抗生物質(コリスチン・パシトラシン)を配合し、その2つの抗生物質は、切り傷や火傷で覆った患部の炎症を抑え、単独混合感染予防・治療に有効な効果が得られる皮膚疾患治療薬です。
【効果】外傷・火傷などの化膿予防や治療、膿痂疹、せつ、瘍、疔、毛嚢炎、湿疹、グラム陽性陰性菌による皮膚疾患、化膿症、伝染性皮膚炎、皮膚潰瘍などの皮膚疾患諸症状
ドルマイシン軟膏を塗るタイミングは?
ドルマイシン軟膏を使用するタイミングは、患部の状態による個々人の判断に委ねられますが、1日1~3回、患部状態に応じた量をガーゼやそれに類する物に湿布し、可能な限り塗る前には、患部やその周囲を清潔にした後に湿布して戴き、患部に深い傷や火傷、湿潤、ただれがあり化膿、出血が多く炎症の部位が広範囲時などは、使用を避けて下さい。
[ad#ad-2]
ドルマイシン軟膏に副作用はある?
ドルマイシン軟膏は、第2類医薬品で安全性はありますが、稀に、次の様な副作用を伴う時がありますので、湿布時は定められた用法・用量を超えない程度にお使い下さい。
初めて使われる方、お子様や大人でも敏感な肌の部位に湿布する前は、簡単なパッチテスト(皮膚の目立たない場所に、薬を少量塗り炎症が出ないかの確認をする事)をした後に使用すると安心です。
稀にパッチテストで、炎症が起きなくても湿布後に、皮膚系として発疹・発赤、かゆみ、かぶれが起きる可能性があるとされています。
以上のような症状が、湿布後に起きて体調に異変を覚えた場合は、使用は止めて医療機関や購入された店舗の薬剤師に身体の変調を伝えてご相談して下さい。
また、副作用でも下記のような重篤症状を起こす場合もありますので、その際には直ぐに医療機関を受診して下さい。
アナフィラキシーショック(湿布後、すぐに皮膚にかゆみを伴う蕁麻疹や浮腫が出て、動悸や呼吸が苦しくなり、声のかすや息苦しさ、手足の冷たさ、顔色の青白さが増し、痙攣をおこし、意識混濁の危険性があります)
ドルマイシン軟膏を塗る際に気をつけることは?
ドルマイシン軟膏は、副作用が起きる薬ではありませんが、医薬品である事から次の項目に該当される方は、塗る時にご注意頂きたいと思います。
①既往症があり、医師から治療を受けられている方
②薬などによるアレルギー症状や、もともとご本人や家族がアレルギー体質の方
③湿潤やただれの酷い方
④鼻腔など粘膜に既往歴がある方
などの諸症状がある方は、医師や薬剤師とご相談をされて、使用を開始した方が良い場合がありますので、その都度状況に応じてお決めになって下さい。
ドルマイシン軟膏を5〜6日間湿布して、症状が改善されない場合は、使用を止めて医師や薬剤師に使用経過を含め、相談してください。
また、小児の単独での使用は避けて頂き、保護者の指導監督のもとにお使い頂き、保管場所は、品質管理上からも、直射日光が当たらず湿気のない涼しい場所へ保管し、お子様の手の届かない場所への保管をお願い致します。
万一、目に入った場合は、水やぬるま湯で擦らずに洗い流し、直ぐに眼科を受診して下さい。
まとめ
ドルマイシン軟膏に含有されている成分の、抗菌作用によって軽度の怪我の治療や単独・混合感染予防にも効果が得られる薬ですが、過度の使用で重篤な症状を招く事がありますので、使用用法・用量を守られてお使い下さい。
関連記事
→サトウ口内軟膏の口内炎や口角炎、ヘルペスへの効果について解説
→ゲンタシン軟膏の効果・効能と副作用について解説
[ad#ad-2]